[評]色気があって繊細な、非常にキレイな画面です。見開きの見せ場などハッとするようなシーンもたくさんあります。空間の使い方が巧みです。しかし人物が不安定なのが気になります。時折顔のバランスが崩れて、瞳の焦点がずれているように見えます。主人公が横顔ばかりなのも印象も弱いです。また、人物の描線が細く、トーンに埋もれてどのコマも同じように見えるので、人物の存在を立たせるよう主線を力強く引くようにしましょう。髪型や会話など今っぽさが欲しいところ。少し研究してみてください。 お話の方は、読みやすいのですが、キャラが弱かったです。主人公が受身でほとんど動かず、男の子も印象弱く、作り物のようになってしまいました。ヒロインは平凡という設定でも、ちょっとあこがれて友達になりたくなるようなこの方が、読んでて夢がありませんか?また今回はキーアイテムの「写真」が上手く使えていませんでした。写真は絵で描いても、そのよさが伝わりづらいアイテム。それが男の子の良い点といっても共感は難しいです。ラストも写真とは関係ないまとめであったのも残念。決めのシーンはとてもすてきです。ただしそこに至るまでの主人公の気持ちが抑揚なく流れているので、話の流れから浮いてしまいがち。次はキャラたてを頑張って! |