りぼん漫画スクール2001 4月号

作品タイトル枚数名前年齢出身地
鳴り響く音の淡雪32奥森晴生21大阪
成績:準りぼん賞 りぼん 2001年春のびっくり大増刊号にてデビュー掲載
前回成績:りぼんNEW漫画スクール 369回もうひと息賞(2000年 7月号)
[ストーリー]日和は同じクラスの飯野が泣いているところを、偶然見てしまった。しかも飯野に「今の誰かに言ったら殺すからな」と脅された。次の日から、日和は飯野に厳しく監視されることに…。
[評]画面構成など、表現のセンスの良さが目立つ作品です。
 日和が飯野のためにバレンタインのチョコを作るあたりから、ラストまで一気に読ませるテンポの良さがあります。それは、日和の気持ちがよく伝わり、感情移入して読めるからだと思います。飯野が泣いていたのは、彼女と別れたからです。日和は、飯野に彼女への未練があることを知り、渡せなくなります。でも勇気を出して告白してみる、だけどうまくいかない…、というそれぞれの状況で、気持ちが上手に表現できています。この場面でもそうですが、たくさんのセリフやモノローグに頼らなくても、気持ちが伝わってきます。そういう画面を作れる表現力が奥森さんの魅力です。
 課題もあります。話の前半の展開が遅く思えました。一見、話の流れの構成が悪いように思えます。でも、隅々までよく読むとそうでもありません。これは、話を理解するために必要な情報が読者の頭の中に入りにくいからだと思います。作者が細かいところまで書きこむ情報も、読者に伝わらなければ意味がありません。遊びのような要素はそれでよいのですが、展開上大事な要素は、話を読む側に立って、自然に頭に入るような見せ方を工夫したいものです。後半はできているだけに惜しいです。
 奥森さんはデビューです。これからは、多くの読者が相手です。常に読者を意識し、自分の思いを伝えるための工夫を忘れずに描いていきましょう!

得点
ストーリー
キャラの顔等の魅力519キャラ性格等の魅力619
構図・コマ割り7ネーム7
表現力7話の内容・テーマ6
センス32
総合70