りぼん漫画スクール2002 2月号

作品タイトル枚数名前年齢出身地
なみだの巣32池田絢23佐賀
成績:準りぼん賞 りぼん 2002年早春のびっくり大増刊号にてデビュー掲載
前回成績:2001年 1月号 佳作
[ストーリー]6年生の灯深は、友達のいる学校が好き。優太くんという仲の良い男の子もいる。でも、家に帰ると、灯深はひとりぼっち。両親は離婚、同居の母親は仕事が忙しくて一緒に過ごせないから…。
[評]ベタ髪の処理や、表情の変化のつけ方など、絵の面での課題が、今回の作品では格段に改善されました。小学生にしては、やや大人びて見えますが、彼女が時おり見せる、ぱっと華やいだ笑顔は、これまでになかった大きな魅力です。
 灯深のさみしさや、友達のあたたかい家庭に対する素直な憧れ、そして嫉妬。表情の変化に加え、自然なセリフからは、場面ごとの主人公の気持ちだけでなく、彼女の性格や置かれている境遇までもが自然と伝わってきます。巣で親鳥を待つツバメのヒナのイメージも、話のテーマを象徴するいい演出になっています。何気ない会話からも登場人物の人となりを感じさせる、深みのある人物描写は、池田さんの作品の最大の魅力です。誰よりも池田さん自身が、キャラクターを1人の人間としてとらえ、大切にしていることが、その魅力につながっているのだと思います。
 いよいよデビューするにあたって、課題は全体的におとなしい印象なこと。絵もセリフも、こじんまりとしています。作品全体、さらにページごとの「見せ場」を意識して、せっかくの魅力的な表情やセリフを、もっと読者に大胆に見せましょう。
 絵の魅力も、話の面白さも、大切なのは言うまでもありませんが、「人間」を描けるのは大きな武器です。読者の心を動かすような作品を、今後も期待しています。

得点
ストーリー
キャラの顔等の魅力619キャラ性格等の魅力620
構図・コマ割り6ネーム7
表現力7話の内容・テーマ7
センス32
総合71